ペットみたいに君が消えた夜
ある日突然私の部屋に転がり込んだ君
飲み会で推しが同じアーティストで盛り上がり
その帰り道に君が帰る部屋がない事を知り
じゃあ家に泊まっていったらと誘った私
それから君は私の部屋のペットになった
友達の友達ということ以外の君を私は知らない
でもそれはどうでも良かったんだ私には
君は私の会社の上司の愚痴や家族の軋轢を
ただ黙って聞いてくれるだけで良かったんだ
淋しい夜は君はただ静かに抱いてくれたり
君が時々作ってくれたロールキャベツも
君が自分の事を全く話さなかったことも
そんなことは全くどうでも良かったんだ
ただ同じ動画や音楽を泣いたり笑ったり
私の作る微妙なご飯を美味しいと言って
完食してくれる君が大好きだったんだよ
そんな日々が永遠に続けばと思ったんだよ
でもある日君はペットのように突然消えた
私にはそれが理解で出来ず声さえ出なかった
ただミニマリストの君が置き忘れた
マグカップを見つけたときああそうなんだ
君はまた別の飼い主のところへ行ったんだ
と理解した瞬間に涙が溢れてきたんだ
ちょっとイケメンで物知りの君は今は一体
誰のペットになったんだろうと今夜
私が作ったロールキャベツを食べています
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