天使のような悪魔
その瞳は気紛れな宝石
その爪は残忍な狩人
その足音は夜の静寂をなぞり
その背中は永遠の放物線を描く
その鼻は止めどもない好奇心
その尻尾は敏感なエゴイスト
その舌は芳醇なミルクを求め
その毛並みは怠惰な愛撫に疼く
その額は失われた野生の憂い
その牙は誰も信じない強い意志の刃
その声は独占的な寵愛を求め
その耳は次の裏切りの相手を探す
その希薄な存在感をよそに
見る者すべてをその虜にしてしまう
そして今日も無意味な時間をやり過ごし
誰かの膝で夢を見る
それは神様の嫌われ者
汝の名は猫である
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